DNAの脱メチル化はTET1により酸化され5mCが5hmCに変化し、さらには5fC、5caCに変換されたのちDNAグリコシラーゼのTDGにより塩基除去修復されることによって起こる。今回、我々は癌抑制miRNAであるmiR-29がTET1とTDGの両方を直接、抑制していることを見い出した。非常に興味深いことにmiR-29はDNAメチル化酵素のDNMT3AとDNMT3Bも抑制していることが知られていた。このようにmiR-29は脱メチル化、メチル化の両方を抑制することからmiR-29はメチル化を抑制することにより癌を抑制しているというよりは、メチル化レベルを安定化することにより癌を抑制していることが示唆される。